この1月から読み始めて夢中になった「ハコヅメ」という漫画があります。
2021年にTVドラマ化され、2022年からはTVアニメも放映されています。映像化記念ということで漫画アプリでその時期は全話無料公開をしていて、空港で待ち時間に暇だったので読み始めたのですが、これがすごく面白い……
絵柄は最初は正直ちょっと苦手だったのですが、話数が進むにつれてどんどん綺麗になっていくこと、そしてなにより、話そのものが面白くて笑えるのに、同時に考えさせられる部分があったり涙してしまう部分があったりと読み応えがすごくて、すぐ夢中になってしまいました。
エンタメとして単純に面白いのですが、現実世界が舞台でもあるので、作者さんの筆力の高さに感服してしまって、これもハマってる漫画として紹介しようと思っていたのですが、その前に。
この【「ハコヅメ」仕事論】という本が出ていたので読んでみたところ、面白くて睡眠時間削って平日に1日で読み終えてしまったので、その勢いでこの記事を書いています。(そんなんばっかだな)ネタバレするつもりはありませんが、内容を紹介すると下記の通り。
・漫画「ハコヅメ」作者:泰三子先生と、日経BP編集者山中さんとの対談集
・2018年、2021年と今年1月の雑誌インタビューをもとに構成
・会話中に出てくる原作漫画の該当箇所を、参照のためまるまる1P~4P掲載
(そこそこの頻度なので、電車内などで読んでいると目立つかも)
・警察官として10年働いた作者の、ものの見方や考え方を知ることができる
(「警察」という組織の構造もコラムで可視化されわかりやすくなる)
・漫画家としてデビュー・週刊連載までの経緯も知ることができる
・インタビューのほかにいくつかのコラム、作者による一部キャラの身上調書
・あとがきは作者:泰三子さん(文章も読みやすくおもしろくてもう……天才)
私は前述の通り、漫画を知ったのが2022年始め、ドラマは見ておらず雑誌も読んでいないので、作者さんのインタビューを読むのも初めてだったので、驚愕の事実がいっぱいでした。
と同時に、やっぱり、これだけの作品を世に出せる人の能力の高さは、やっぱりこういうレベルだよな……と非常に納得のいく内容でもありました。ポテンシャルの高さがハンパないところに、磨きに磨きをかけて転職し、さらに別の方向から才能と実力に磨きをかけている、という印象です。あとがきの文章もすごかったので、文筆家としても全然仕事たくさんくると思う。
「ハコヅメ」という作品でのものごとやキャラクターの描き方についても、やはり根底には周到に考え尽くしたものが出来上がっていて、それを即興で調理しながら外に出しているといった印象を受けました。
「ハコヅメ」ファンの方は読んで損のない一冊だと思います。
警察官になることに興味のある学生さんや、漫画や小説といった自分の創作した作品を世に出したいと考えている方にも。
社会人の基礎とされているごく当たり前のことを、きちんと身につけて当たり前に行動していくことが、取り組んでいる仕事を成功・実現させる力になるんだなということが改めてよくわかった読書体験でした。