軽井沢の万平ホテルに一泊してきました
軽井沢の由緒あるクラシックホテル、万平ホテル。
旧軽井沢銀座からも近く、別荘地の中に建つこのホテルは、ジブリの「風立ちぬ」で登場したホテルのモデルとも言われています。
軽井沢を訪れるたびに散歩を兼ねて立ち寄ってはいたものの、宿泊は今回が初めて。
コロナ禍の折り、基本室料のみでサービス料・シーズン料金加算なしという破格のプランが出ていたので、これは行けるものなら泊まりに行くしかない……!と勢いで予約。2021年11月上旬に訪れました。
申し訳なさを感じるほどの低価格プランで宿泊した私たちですが、スタッフの方々はどなたもどのセクションの方も非常に感じ良く接してくださり、気持ちの良い滞在でした。
あまりに安価なので、夕・朝食とお茶をホテルでとろうと予定していたのですが、昼食もホテルで取り、お土産も買って帰りました。ちょっと予算オーバーしましたが、アップルパイはやっぱりもう一箱買って帰ればよかったなと後悔しました。
実際のお部屋と食事のレポを写真多めでお送りします!
宿泊したお部屋は、ウスイ館の書斎タイプ
チェックイン後、お部屋まではホテルの方が案内してくれます。
というのも、箱根の富士屋ホテルもそうですが、増築を繰り返していること、立地がなだらかな丘になっているので隣の建物の1階がこちらの建物の2階にあたるなど、建物の造りが入り組んでいるので、初めての訪問では迷うこと必至。
でも、その複雑さがなぜだかまた愛おしいんですよね。
フロントから歩いて、エレベーターに乗って、歩いてアルプス館からウスイ館に移動し、またエレベーターに乗って、ようやくお部屋に到着。
約46平米のお部屋で、窓からはホテル裏敷地の木立が見えます。


ふかふかの一人掛けソファに座って、オットマンに足をのせてくつろぐ時間も最高でした。このサイドテーブルの高さが本当にちょうど良くて、使いやすくて。オットマンはひとつしかないので、順番こに使いました。
ちなみに私は、本館であるアルプス館のお部屋を模したクラシックタイプのお部屋に泊まりたかったのですが、同行者の鶴の一声でこの書斎タイプを選択。
万平ホテルに泊まるのが第一目的で、書斎タイプももちろん素敵なので文句はなかったのですが、いざ入室し、お部屋まで案内してくれたスタッフさんを見送った後、同行者が「泊まるのってこの部屋だっけ? なんか障子みたいなのある部屋(※クラシックタイプ)にしなかった?」と言っていて、ちょっと笑いました。
(LINEでやりとりしていたので、私が最初にクラシックタイプが良い!と書いたことだけ記憶に残ってたみたいです。笑)
バスルームとアメニティ


ちなみにお手洗いはこの手前右手にあります。ちゃんと扉付き。
シャワーブースとバスタブが少し離れているホテルが多いですが、この配置だと体を冷やすことなくすぐお湯の中に入れるので、とても良かったです。
バスタブにお湯を溜めている間にシャワーブースで体を洗い、そのままバスタブにイン。
ラジエーターがあるのでタイル張りでも寒くなく、タオルをかけておけばこの熱で乾きます。イギリスを思い出す造り。
バスタブにお湯を落とす蛇口は、写真の通りバスルームの手前側にあります。写真を撮らなかったのですが、この蛇口にシャワーヘッドがついているので、浴槽を洗い流すのも簡単。シャワーブースに立たずに、バスタブで全て済ませたい人にも便利な造りです。バスタブも大きめでゆったりしており、バスタブ内にハンドレストがあるので立ち上がる時も安心。おまけに手すりもちゃんとある。
そして、シャワーブースではハンドシャワーのシャワーヘッドが壁を向いてかけられていました。この細やかな心遣い、ここ数年で泊まった外資系ホテルやビジネスホテルではあまり見られなくて、さすがクラシックホテルのホスピタリティ……と感動してしまいました。(自分で気をつければ良いだけの話なんですが、いつもうっかり水栓をひねって、適温ではない水をかぶってしまうので、この心遣いは本当に嬉しかったんです。)

固形石鹸がないのも、無駄がなくて好感が持てます。


アメニティはスキンケアまで基本的なものはひととおり揃っています。
歯磨きセット、カミソリ、ヘアブラシ&コーム、シャワーキャップ、コットン&綿棒セット、ボディタオル。
スキンケアはメイク落とし・洗顔料・化粧水・クリームがそれぞれ1回分ずつ。

バスローブだと思ってるのですが、これはもしや、パジャマだけだと寒い場合に羽織るためのローブというかガウンだったのかもしれない……と今ふと思いました。でも厚手のタオル生地で吸水性が良かったので、きっとバスローブで大丈夫。
食器とお茶類、冷蔵庫
キャビネットを開けると、ティーカップとティーバッグ受け、グラス2種とアイスペール、緑茶・紅茶・コーヒー類が入っています。


隣の扉を開けると、冷蔵庫。
こちらの中身は全て有料です。お酒類は1本ずつ、お水とジュースは2本ずつ。

キャビネット上に置かれた電気ポットの中には、お水が満量入った状態でした。特に説明はなかったのですが、他の方の宿泊記を読むとホテルの井戸水というお話もあるのですが、どうなんでしょう……? そのまま飲まずに沸かしてお茶やコーヒーをいただいたので、ミネラルウォーターとの味の違いはあまりわからず。
夕食
予約時間に合わせて、メインダイニングルームへ。
当日のおなか具合の予想がつかず、席だけの予約にさせていただいていました。アラカルトと迷いましたが、コースだと20%オフにしてくださるという破格プランだったので、結局コースに。


同行者とおなか具合が違いすぎて、それぞれ別のコースを頼んだのですが、品数が違うのにペースを合わせてサーブしてくれるさすがのサービス。
どのお料理も美味しいのはもちろん、パンもあたたかく、バターもひとり2切れとたっぷりで嬉しかったです。
テーブルミュージックは、アップライトピアノの自動演奏がやわらかく室内に響いていました。
そして、いつもフロント側から眺めていたステンドグラスを反対側から見ることができたのも嬉しい。
朝食
朝食前に少しお散歩。こちらはホテルの中庭。中央左側の建物が本館アルプス館、1階がメインダイニングルームです。もう1週間ほど早ければ、中庭の木々にはまだ葉が残っていて美しかったそう。
朝食はメインダイニングルームでアメリカンブレックファストをとる予定にしていましたが、当日になって和食の気分になり、割烹 熊魚菴へ。

この京粥がとても美味しくて、また食べたいくらいに美味しかったです。(この前週に京都のホテルで食べた京粥より美味しかった。)
お茶は温かいほうじ茶、他に信州産のぶどうジュース(コンコードだったかな?)もつきます。
朝食後、空いているフロントで先に清算を。朝食はプラン価格に含まれていたこと、夕食も20%オフにしてくださったことから、これで通常の宿泊料金くらいです。
この後は敷地内を散歩して朝の空気を楽しんだ後、ショップを訪れてお買い物。
アップルパイの日持ちが1ヶ月半ほどあったので、2箱買うか悩んだのに1箱だけにしてしまったのをいまだに悔やんでいるので、今年もどこかのタイミングで軽井沢に行きたいと思います。


万平ホテルの前身である旅籠「亀屋」にちなんだものだそう。
チェックアウト後は、クロークに荷物を預けて、周辺の林道のお散歩を楽しんでから、旧軽井沢銀座までお散歩。二日間とも気持ちの良い晴天で、都内では味わえない空気にひたって心も和らぎました。
昼食とデザート
旧軽井沢銀座をそぞろ歩きながら、ホテルへ戻って、カフェテラスへ。私たちのようにチェックアウト後の人、これからチェックインする人、食事だけしに来た人とで混み合っていて、30分くらい待ちました。

テラス席は空いているのですが、まだ外のストーブは着けていないため、案内してもらえるのは室内席のみ。サンルームのように全面窓になっているので、外の景色を楽しみながらゆったり過ごせました。
おなかはあまり空いていなかったものの、昼食と、デザートを一緒にオーダー。


同行者はジョンレノン直伝のロイヤルミルクティーとアップルパイにしていました。私はレモンタルトにロイヤルミルクティーは甘すぎるので紅茶をオーダーしたところ、なんと紅茶はおかわり無料ということで、食前からあわせて3杯いただいてしまいました。
(ポットサービスはなく、都度、新しいカップで持ってきてくれます。)
カフェのテーブルオペレーションは基本的に外国籍の方二名でまわしていらしたのですが、アイコンタクトのみで気づいてくれ振る舞いも控えめで丁寧で、ホテルの空気感にとても合っていました。
荷物タグ

ショップでは同デザインのステッカーを購入できます。
チェックイン前や後に荷物を預けた時につけてくれる荷物タグもこの可愛さ。
実は、訪問直前にネットでクチコミを読んだところ、かなり厳しいレビューがいくつか見られたのですが……私の滞在時には、クチコミで指摘のあった箇所はほぼほぼ改善されていました。1点だけ小さなことがクチコミ通りではありましたが、全体のサービスがとても自然に寄り添ってくれるような質の高さだったので、気にならず。
軽井沢には新しいホテルもいくつもできていてどこも惹かれますが、やはりこの空気感は一朝一夕には作れないものだとも思いました。また泊まりに行きたいと思います。